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記事№6 見かけ年齢と死亡率の関係

しばらく、更新をさぼってしまいましたので久々の新記事となります。

東北大学の坪野教授が書かれた記事を紹介しましょう。

 自分の実際の年齢より若く見えるか老けて見えるかを気にする人も多いだろう。英国医学雑誌は昨年12月、実際の年齢が同じでも、見かけ上の年齢が高いと、死亡率も高くなるという論文を発表した。

研究はデンマークで進行中の、双子の高齢者の追跡調査のデータを使って行われた。対象者1826人のうち、387組(774人)は同姓の双子の両方が参加し、残りは双子のうちの片方(もう片方は死亡したか研究参加に不同意)が参加した。

対象者の顔写真を自宅で撮影し、何歳に見えるかを、老年科の看護師10人が推測した。10人の推測の平均値をその対象者の見かけ上の年齢とした。約7年の追跡調査で675人の死亡を確認した。

その結果、実年齢が同じでも、見かけ上の年齢が1歳高くなるごとに死亡率は8%ずつ高くなった。また、実年齢が1歳高くなるごとに死亡率はやはり8%ずつ高くなった。つまり、寿命に及ぼす影響は、見かけ上の年齢も、実際の年齢と同程度だった。

さらに、見かけ上の年齢が高いと、階段を上るなどの身体的機能が低く、記憶力などの認知機能も低かった。これらの結果は、見かけ上の年齢を推測するのが、老年科の看護師ではなく、高齢女性(70~87歳)や若年男性(22~37歳)でも変わらなかった。

著者らは、2004年、今回の論文と同じ双子387組を2年間追跡し、見かけ上の年齢が高いと死亡率が高い事を示した。今回対象者を増やし、追跡期間を延ばして調査を行ったが、同じ結果となった。なお、今回の論文に関して言えば、対象者が双子であることは重要ではない。

著者らは、長寿の指標となる遺伝子がほとんど見つかっていない現状では、DNA標本よりも顔写真の方が、高齢者の生存に関してより多くの情報を提供すると思われると考察している。

今回の研究は70歳以上の高齢者が対象なので、より若い集団にも結果が当てはまるとは限らない点は留保が必要だ。しかし、高齢者の長寿については「人は見かけによる」可能性を示した点で、複雑な気持ちにさせるデータだ。

 顔ではありませんが、私自身がお口の中を診療で拝見する場合でも似たような感じをもつことがあります。ほぼ同じような年齢の方でも、歯や歯ぐきを含めた口腔内年齢があるとすれば、しっかりとした歯やきれいで健康的な歯ぐきをもっている方は、そうでない方に比べれば見かけの年齢もやはり若いように思えるのですが、このあたりもデータを取って調べると面白いかもしれませんね。

いずれにしても、「見かけが若いということは重要だ」という事はどうも正しいようですね。

 

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