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記事№13 若い女性の喫煙への警告

私の個人的な感覚として、若い女性、それも綺麗な女性が喫煙しているのを見ると、とても悲しくなります。理由は、産む性であるその女性自身の健康への影響を心配することはもちろんのこと、それ以上にその女性から生まれた、あるいは将来生まれてくるかもしれない子どもの健康への影響を何よりも懸念するからです。

1.喫煙率について
たばこ産業の「平成21年全国たばこ喫煙者率調査」によると、

成人男性の平均喫煙率は38.9%でした。これは、昭和40年以降のピーク時(昭和41年)の83.7%と比較すると、43年間で44.8ポイント減少したことになります。年代別にみると、急激な喫煙率の減少傾向が見られる60歳以上は27.8%で、ピーク時(昭和41年)より50ポイント以上も減少しました。また、平成21年の喫煙率が一番高い年代は30歳代で46.9%でした。
成人男性の喫煙率は、この18年間、減少し続けていますが、諸外国と比べると、未だ高い状況にあります。

これに対し、成人女性の平均喫煙率は11.9%であり、ピーク時(昭和41年)より漸減しているものの、ほぼ横ばいといった状況です。平成21年の喫煙率が一番高いのは30歳代の16.8%、最低は60歳以上の6.2%です。
若い女性の喫煙率の増加は、青少年の喫煙と同様に、いま世界各地で大きな問題として取り上げられており、世界全体で取り組まなくてはなくてはならない重大な問題です。

2.女性が喫煙する理由と誤解
都会の町を歩くと、以前はあまり見かけなかった光景を目にします。それは女性の歩きたばこです。喫茶店やファーストフードレストランでも若い女性のスモーカーが目につきます。
以前日本では、女性はたばこを吸わないものだという社会通念がありました。しかし女性の社会進出に伴い、また細いおしゃれなたばこが販売され、「できる女性は喫煙」というイメージ戦略などによる喫煙のファッション化に伴って、特に若い女性の喫煙率がじりじりと高まってきたのです。

心配なのはこれらの女性が妊娠する時です。妊婦の喫煙率についてはさまざまな数字がありますが、妊娠中でさえ、喫煙がやめられない妊婦はどうやら十数%いるようです。
妊娠中のたばこは胎児に多大な悪影響を及ばし、早産、死産や低出生体重児の原因となります。家族の喫煙は出生後の新生児突然死症候群の原因にもなります。その意味でも若い女性の喫煙の増加は危険が大きいのです。

「やせるために吸う」という女性は、実はたばこが美容の大敵であることをご存知ないことが多いようです。

たばこの煙による血流障害は肌に深いシワを刻み、肌を荒らします。たばこによる歯肉着色や、唇のくすみは美ぼうを損ないます。たばこは歯周病の原因にもなりますので口臭は強くなり、歯ぐきもやせて歯は抜けやすくなり、入れ歯になるのも早まります。たばこでやせるのではなく、やつれるのです。
スクリーンではすてきな女優さんがたばこをくゆらすシーンもありますが、それは作られたイメージです。周りをよく見てください。たばこを吸っている人は本当にスマートですてきですか。肌はしわもなく輝いていますか。荒れた肌が厚化粧で隠されていませんか。
たばこは女性の年齢を十歳くらい老化させます。美しくありたい女性にとって、たばこほどふさわしくないものはありません。

3.喫煙の害、歯周病との関連

タバコを吸うと毛細血管が収縮し血流が悪くなります。歯ぐきが貧血を起こし、歯を支えている組織も傷み歯にも悪影響が出てくるのです。長年の喫煙によりニコチンやタールで口の粘膜が過敏になります。ニコチンにより色素が沈着し、歯肉が黒くなってきます。タバコを吸うと高血圧の人達が飲んでいる薬(降圧剤)が思うように利かないことがあり肺癌のリスクも高まります。

妊婦は早産の危険性が高まります。タバコ1本につきレモン1個分のビタミンが失われていくのです。

最近、喫煙者の肩身も狭いと思います。レストラン、空港、駅、新幹線、ホテルなどいたるところに制限がされています。喫煙者本人もさることながら、パッシブ・スモーク(※受動喫煙)が問題になっています。

自宅でもベランダに出てタバコを吸うので外から見るとホタルのように見えるので、ホタル族と言われています。喫煙場所が減ったこととタバコの値上げなどで喫煙率が減少しています。

食後の一服のために大事な歯を失ってしまうのです。これをやめるくらいなら、死んだ方がましだとおっしゃる人もいますが、本当にそうなってもよいのでしょうか。

タバコを吸っていると、歯周病になりやすいだけでなく、歯周病に罹ってしまった時の治療効果もでにくくなります。喫煙者が非外科的歯周治療を行った場合の改善効果は、非喫煙者の50~75%で、抗生物質の局所投与を併用することでようやく非喫煙者の非外科的処置のみと同じ程度の治療効果を得られるといわれています。

喫煙者は血管が収縮しているため、出血がおこりにくかったり、発赤していなかったりすることがあり、歯周病にかかっていることを自覚しにくい状態となっています。

非喫煙者では、歯石の付着に伴って出血しやすくなります。しかし、喫煙中止者、喫煙者(一日10本以下)、喫煙者(一日11本以上)の順に出血しにくくなります。さらに、喫煙者(11本以上)では、歯石の程度による出血のしやすさの差はほとんどなくなります。

歯ぐきからの出血は皆さんにとって、歯周病を見分ける一番の指標ですので、困りますよね。また、喫煙者ではプラーク量が同じ程度の非喫煙者と比べて歯石が多いことや、歯周病が下顎前歯部や上顎舌側部に多いことも報告されています。

歯周治療の効果は禁煙すれば上がりやすくなることが報告されています。喫煙によって少なくなっていた出血は、禁煙することで増加しますが、これは、血流が回復してくるためだと考えられています。

「※受動喫煙(副流煙)」
たばこの煙は、喫煙時にたばこ自体やフィルターを通過して口腔内に達する「主流煙」とこれが吐き出された「呼出煙」、及び点火部から立ち昇る「副流煙」に分けられます。

ニコチンなど各種有害物質の発生は主流煙より副流煙の方が多く、毒性が強いと言われています。喫煙は、喫煙している本人だけではなく周りの人にも影響を及ぼします。大切な家族や周りの方への影響について考える必要があります。

また、喫煙していない人は他人の吸っているタバコの煙を吸わないように注意が必要があります。この少ない受動喫煙でも歯周病に影響すると報告されています。
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いかがでしたか?確かに喫煙をする人の自由や権利といったものも、ある程度は尊重してあげなくてはならないということは、私も良くわかっているつもりです。しかし、上記の様々なリスクのことを考えたとき、若い女性の喫煙というものはどう考えてもやめてほしいと私は考えています。

今回は若い女性の喫煙に焦点をあてて述べてきましたが、男性にあっても健康に害があることは同じですし、健康を守るべき立場の、医師や歯科医師の中でも喫煙者が意外にまだ多く存在している事にも私は問題を感じています。少しでもタバコの害がなくなるようにみなで考えてゆきましょう。

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